これまで以上に締め付けを強める恐れ

不良債権処理の実施に伴い、若年層を中心に雇用、所得環境の悪化は鮮明化するだろう。民衆だけでなく党内からも、習政権に対する批判は増える恐れが高い。習政権は、そうしたリスクを回避するために、不良債権の温存を目指し、金融、財政政策に頼らざるを得ない。

結果として、不動産などの企業、地方政府の債務問題の深刻化は避けられないだろう。景気下支えのための金融緩和によって米中の金利差は拡大し、海外への資金流出も加速するだろう。オーストラリアなどで不動産を購入し、財産を守ろうとする人も増える可能性が高い。

資金流出を食い止めるために共産党政権はこれまで以上に経済、社会への統制を強めるはずだ。党に対する人々の反発心理は高まり、政策の効果が表れづらくなる恐れも高まる。当面、中国の不動産市況の下落は鮮明化し、景気の停滞懸念も高まりそうだ。

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