「今、何を見ているの?」という声かけが重要

「今、何を見ているの?」「どんなところが面白いの?」このように聞いて、子どもに説明してもらうのです。動画の内容を話すことで、「自分が経験したことを相手に伝える」「コンテンツの魅力を伝える」という練習ができますし、親御さんにとってはお子さんが興味を持っていることを知るきっかけにもなります。

特に、「今、何を見ているの?」という問いはとても重要です。

「とにかく○○が見たい!」など、見たいものが決まって見始めたものの、いつの間にか別の動画に引き込まれていくことが多くあります。ご自身でも経験がある方もいると思いますが、自分が何を見ているのかを意識することなしに、なんとなく見ているのです。こうした受け身の姿勢で惰性的に見ている状態がとにかく怖い。だから意識的に見ることを促すわけですね。

すでに動画サイトにのめり込んでしまい、やめさせるのに苦労しているという場合は、ゲームを終わらせるときと同じように、「どうすれば終わらせることができるか」にフォーカスするようにします。マンガやテレビのように「いつ終わるの?」と時間を決めるやり方ではなく、「どうやったら終わらせることができるか」と確認をしておくのです。

子供が満足感を得られるような問いかけをするべき

「この動画は1本何分くらいなの?」「4分の動画をあと3つ見るってことだね?」「6時までの約束だけど、あと何本見るの?」

このように、一つひとつ区切って確認する。もう一つの方法は、「あと二つでおしまいだけど、やめられそう?」と聞いてみる。これはどういう目的かというと、子どもの「大丈夫」という言葉を引き出すためです。

小川大介『子どもの頭のよさを引き出す親の言い換え辞典』(青春出版社)
小川大介『子どもの頭のよさを引き出す親の言い換え辞典』(青春出版社)

問いかけによって、「ここまで見たらもう大丈夫。ちゃんと見た」と、子ども自身に満足の区切りをつけさせるように仕向けるのです。ゲームにしても動画にしても、結局のところいくらやっても満足はしないのです。満足とは自分が決めるもの、選ぶものだからです。

メリハリをつけて楽しむ分には問題ありませんが、「やめられない」という依存状態に陥ってしまっている場合は、ただ見ているだけで何の達成感も得られず、心はずっと飢餓状態です。だから、幸せにはならない。

子どもにYouTubeやTikTokなどの動画を見せる場合、そうしたリスクがあることを親御さんはしっかり認識しておきましょう。

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