具体的な終了時間を決めたほうがいい

・本当は言いたくない言葉
いつまで見てるの!

・子供に届く言葉
この動画は1本何分?
6時までということは、あといくつ見るの?

・小川先生のひと言
目的意識がないまま見続けないよう、親がしっかりケアする必要があります。

前項で、子どもにとって依存度の高い娯楽の順番をお伝えしました。1位はゲーム、次にYouTubeやTikTok、そしてテレビ、マンガと続きます。これらとうまくつき合っていく方法は、大きく二つに分かれます。

マンガとテレビは、依存性という点ではそれほど高くはありません。マンガは自分でページをめくりながら読むので長時間続けると疲れますし、近年は若者のテレビ離れが進んでいるように、テレビという娯楽は今の子どもにとってそれほど魅力的なコンテンツではなくなっているので、依存性の心配も薄らいでいます。

とはいえ一度見始めるとやめられないという場合は、終了時間を決めておきましょう。親がすべき声かけは次の二つです。

1.「今日は何を読むの? (今日は何を観るの?)」
2.「何時まで読むの? (何時まで観るの?」

読みたいもの(観たいもの)と終了時間を確認しておくことで、まず「何を読みたいか(観たいか)」を子ども自身に選ばせます。そのうえで、「とにかくずっと読んでいたい(観たい)」ではなく、「これだけを読みたい(観たい)」と対象を限定させます。次に終了時間を確認することで、「その時間になったらおしまいだよ」というメッセージを渡します。

「なんとなく見る」ことがYouTubeの魅力

私たちが子どもだったころはテレビが娯楽の中心でしたが、今はまずYouTubeやTikTokが当たり前。なぜそこまで子どもの心をつかんでいるのでしょう?

タブレットでYouTubeを見る子ども
写真=iStock.com/pressureUA
※写真はイメージです

まず、「手が届く感覚」が大きな魅力の一つなのではないかと思います。テレビの向こうのタレントさんは別世界の人に見えるけど、動画の中では近所にもいそうな雰囲気の人たちとあたかも一緒に遊んでいるような気分になれるのでしょう。最近はショート動画なども充実しており、さらにレコメンド機能で受け手が興味を持つであろう動画がどんどん出てきます。

ゲームと同じで、離れさせないための工夫がそこかしこに盛り込まれているのです。それだけに、「なんとなく」で気楽に見始めたはいいものの、いつまでもやめられなくて見続けてしまうことが大きな問題です。これこそ依存の状態ですよね。そこで、動画の世界にハマりすぎるのを防ぐために、動画についてお子さんとじっくり話すことをおすすめします。