大盤振る舞いのツケは国民に回ってくる
いやいや、税収も増えているのだから大丈夫だ、という主張もあるだろう。確かに2022年度の一般会計の税収は70兆円を超え、過去最高になった。だが、これは物価上昇による消費税の増加や、円安による企業収益の見た目の増加などの要因も大きい。決して景気が良くなって税収が増えているわけではないのだ。
さらに、大盤振る舞いを続けて財政赤字が膨らめば、円の信用力が落ち、実効レートの円安がさらに進むことになりかねない。そうなれば、円建ての物価はさらに上昇することになり、いくら賃上げを達成してみたところで、実質的な賃金は一向に上がらないということになる。
本来は公的セクターの効率化や縮小を考えなければならない事態に直面しているにもかかわらず、岸田内閣が大盤振る舞いを続ければ、いずれそのツケは国民に回ってくることになりかねない。