番外編「なぜか親に言いつけたがる」

以上の通り、一見ブラックとはわかりづらい企業の特徴を3つ挙げたが、最後に私が目の当たりにした、隠れブラック企業が本性を出す瞬間についてお話ししたい。

それは、私を不当解雇した2社ともに、親への連絡を脅しのように使ってきたことだった。

私に訴訟の意思があると知った会社役員は、私に無断で父に連絡をとり、父の単身赴任先までわざわざ会いにきた。そこで役員は、「会社としては解雇の判断に自信がある」「穏便に解決するよう息子さんへアドバイスしたほうが良いのではないか」と、約2時間にもおよぶ力説を行ったのだ。

実は、1社目でも「(私の勤務態度の悪さについて)親に電話するから父親の電話番号を教えろ」と社長に詰められたことがあった。実際に電話はかかってこなかったそうだが、どちらの会社も「親に言いつける」ことが問題社員に効果的だと勘違いしているようだった。

こういった小さな「認識のズレ」にアンテナを研ぎ澄まし、隠れブラック企業の見極めに活用してほしい。

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