【CASE.3 狭小物件】広さより「雰囲気」「特別感」に価値を感じる人を狙え!

細かな設備の刷新で売りやすさもアップ

専有面積の狭い物件が、売りにくいのは事実です。一方で、広さより「部屋の雰囲気」や「過ごしやすさ」を重視している人も年々増えてきています。そういった買い手に向けて、部屋の設備を新しくするのも、物件を高く売るのには効果的です。

最も手軽にできるのは、ドアノブ交換です。私はお客様に中古物件を紹介する前に、すべてのドアノブをゴールドに交換します。それだけでも部屋の中の見栄えが華やかになり、買い手のリアクションが大きく変わります。ドアノブの価格は1個当たり1万円程度。室内のドアノブをすべて変えるだけで数十万円は売値が上げられます。特に郊外の物件の場合は、ゴールドのドアノブが喜ばれる傾向にありますので、マイホームの売却を考えているのであれば、やってみるといいでしょう。

水回りのリフォームも効果的です。長年住んでいる家の場合、キッチンや洗面所にひねるタイプの蛇口を使用していることも多いのではないでしょうか? これをレバータイプに変えるだけでも売却しやすさは一段と変わりますが、おすすめは、手を近づけるだけで自動で水が出てくる最新のセンサータイプの蛇口への交換。タッチレスで使用できるので、キッチンで洗い物や料理をしているときの使い勝手が非常にいいと人気を集めています。

「さぞかし高いのではないか」と思うかもしれませんが、交換に必要な費用はたった数万円程度です。全体的に部屋の内装が古いつくりになっていても、水回りが最新設備になっていれば、買い手からの印象は大きく変わります。トイレに最新式の温水洗浄便座を設置するのもいいでしょう。約20万〜30万円ほどの売値アップが期待できます。

部屋が狭い物件において、物件の価値を上げるために「+α」のリフォームとしておすすめしたいのは、浴室のテレビの設置です。物件購入を検討されているお客様を案内したときに、浴室に設置されたテレビを見ると、皆さん一様に驚きます。夫婦で来られた場合には、特に奥様が感動して、購入に前向きになっている様子をよく見ます。高級物件や高級ホテルの浴室に設置されているイメージがあるため、これだけでラグジュアリー感が出ますし、最近ではゆっくりとお風呂に入りながらユーチューブを見たいという人も少なくありません。設置費用は十数万円ですが、少なくとも50万円は価格に上乗せできる場合もあります。

もし、予算に余裕があるのであれば、ぜひやっていただきたいリフォーム場所が玄関です。物件購入を検討しているお客様が、最終的に「買うか」「買わないか」を判断するのが、玄関ドアを開けたときの印象です。ですから、多少値が張りますが、玄関のタイルを大理石調のものに敷き直したり、明るいライトを設置し、高級感を演出するのがポイントです。室内を内見して、「少し狭いな……」と思われたとしても、第一印象で心を摑まれた買い手は、「この物件、高いけど買いたいな」という気持ちになり、前向きに購入を検討するはずです。

高級感アップ、機能性アップ、便利さアップを満載