【CASE.2 1階物件】「危なそう」「暗そう」「水害が起きそう」1階のネガティブイメージ払拭!

明るく安全な部屋を演出

マンションの1階は、防犯上の理由から敬遠されがちです。とはいえ、高く売る方法がないわけではありません。大事なのは防犯面の不安を少しでも取り除くことです。

おすすめなのは、庭やバルコニーにつながる窓を防犯複層ガラスに変えること。外部からの侵入者が衝撃を与えても割れにくいうえに、万が一ヒビが入ってもガラスが飛び散らず、安全性も高いので、買い手からの印象が非常にいいです。だいたい一カ所あたり約10万円で交換が可能ですし、自分たちの防犯のためにも早めに交換をしておくのがいいでしょう。

塀やバルコニーの縁に棘のある防犯金具を置いて侵入者を寄せ付けないような対策をするのも1つの手です。さらに防犯カメラを設置するなどして、防犯対策をアピールすることが、高値で1階物件を売却するのには効果的です。全部対応したとして、だいたい30万円ほどの費用になりますが、やるかやらないかでマンションの売却額が100万円ほど変わります。

買い手に少しでも安全性を印象付けるには、内見の際の演出も大切になります。「光」と「匂い」をうまく使って“買い手を魅了する”裏技テクニックをご紹介しましょう。

多くの人はマイホームを売る際にあまり意識していないようですが、「光」の演出は物件の印象を左右する重要な要素。とにかく明るくすることが安全性のアピールにつながります。間接照明などを用意できれば、廊下や部屋に置き、安心感のある家を演出したり、内見時間を昼間にしたほうがいいです。その部屋に最も光の入る時間を選んで内見をしてもらえれば、1階物件に抱きがちな「暗そう」「危なそう」といった不安要素を減らせます。細かなことに思えるかもしれませんが、この積み重ねが売値アップにつながります。

「匂い」で言えば、柑橘系の香りを玄関から漂わせる小技があります。柑橘系の香りは不動産に限らず、購入意欲を増すことが知られています。商業施設を訪れたときに、柑橘系の香りが漂っている店舗に入った経験はありませんか。「香りマーケティング」による手法で、お客様を前向きな気持ちに促すと言われています。

マンション購入を検討しているお客様に川沿いにあるマンションの1階物件を案内していると、水害を心配する声が多く聞かれます。このようなケースでは、弱みをしっかりと仲介業者からお客様に伝えてもらうようにすることが重要です。そのうえでよい面をアピールすれば、お客様のなかでメリットとデメリットが明確になり、納得したうえで高値で買ってもらえます。

川沿いであれば、河川敷に公園や遊歩道が整備されていることも多く、周辺環境は良好です。たとえば、「川沿いには公園や遊歩道が整備されていて、周辺環境は良好です。200年に一度レベルの大雨があったときには浸水のリスクがありますが、想定浸水深は5メートル未満ですので、部屋まで濡れることはありません」などと説明すれば、高値で売ることも不可能ではありません。

防犯対策が万全であることを徹底的にアピール