どうすれば体の疲れはとれるのか。メディカルトレーナーの夏嶋隆さんは「疲れの原因は『座り方』にあるかもしれない。前傾姿勢や背もたれにもたれる姿勢は、肩や腰に負担がかかるのでやめたほうがいい」という――。

※本稿は、夏嶋隆『10秒でほぐす カラダが硬い人でもラクに柔らかくなる。きつくない、痛くない「シン柔軟法」』(アスコム)の一部を再編集したものです。

腰に手を当てて椅子に座っている女性
写真=iStock.com/ximushushu
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世界で一番座っている時間が長い日本人

日本人は諸外国に比べて、座っている時間が長いことが知られています。

シドニー大学やオーストラリアの研究機関が行った「平日の総座位時間」調査によると、日本人は1日平均7時間も座っていることが分かっています。対象になった20カ国中、サウジアラビアと並んで「世界最長」という結果です。

長時間座り続けることは、健康を害する危険性があると指摘されています。血流や筋肉の代謝低下による、心筋梗塞、脳血管疾患、肥満、糖尿病、がん、認知症などのリスクが高まるためです(厚生労働省「座位行動」を参照)。

さらに座り続けることで疲れや痛みが起こる場合があります。体の負担を減らすと謳う椅子やグッズは数多く存在します。しかし根本的な原因の解決をしない限り、いくら高額な椅子を購入しても、効果は薄いと言わざるを得ません。

世界で一番座っている日本人だからこそ、より体を気づかった姿勢が求められるのです。

痛みの原因は「座り過ぎ」ではなく「座り姿勢」

あなたは普段、椅子にどのような姿勢で座っていますか? もしこの記事を、足を組みながらお読みくださっているのであれば、私からひとつアドバイスをさせてください。

足を組んでいる人に多いのが、耳・肩・腰のラインが平行になっていない座り姿勢です。

一方の肩が上がって肩と腰のラインがずれていると、背骨が湾曲して頭の重さを支えきれず、腰痛の危険性が高まります。いますでに腰にだるさを感じていたら、じわじわと自分で筋肉にダメージを与えていっている証拠と言えます。

その態勢でパソコンやスマホを使っていたら、さらに最悪です。

画面を見入るあまりに、自分でも気づかないまま上半身が前傾し、耳の位置が肩よりも前に突き出てしまうことで、腰だけでなく肩や首にも大きな負担がかかります。