アスパルテームとアセスルファムカリウムの味はまったく違う
人工甘味料をおいしいと思って使っている人もいるかもしれませんが、そういう人には関係ないということです。人工甘味料の味は砂糖の味とはまったく違うし、中でもたとえばアスパルテームとアセスルファムカリウムの味はまったく違うので、調味料としての価値はあります。
そうした用途において、これからも人工甘味料の豊かな甘みは維持していいことになります。
「表示カロリーを減らす」効果はある
また、人工甘味料では体重が減らないとしても、「とにかくカロリーを減らしたい」という場合もあると思います。
病院や介護施設や飲食店で提供される食べ物にはよくカロリー表示がついていますが、たとえ体重を減らす効果がなくても、人工甘味料を使えば表示されるカロリーを減らせるわけです。
パッケージに「0kcal」と書かれていても、体重が減らないなら意味がないと思いますか? それはもっともですが、カロリーはカロリーです。嘘ではありません。いまもすでに、ゼロカロリーだからといって「食べるとやせる」「生活習慣病予防」と宣伝することはできません。
こうした目的での人工甘味料の使用について、WHOは何も言っていないのです。
WHOは「人工甘味料は減量や病気予防の役に立つか」という、ありもしない問いに答えようとして空転しているだけなのだと思います。
しかもこの推奨は「条件付き推奨(conditional recommendation)」です。ガイドライン本文によればこういう意味です。
「条件付き推奨は、その推奨を実践することによる望ましい結果が望ましくない結果を上回るかどうかについてWHOガイドライン作成グループの確信が薄い推奨、または期待される正味の利益が非常に小さいときの推奨である。したがって、条件付き推奨を政策として取り入れる前に、政策立案者のあいだで相応の議論が必要になるかもしれない。」