強いストレスにさらされたとき、どうすればいいか。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は「ストレス要因と出合うと自律神経のバランスが乱れる。そういう場面で何をするか、ルーティーンを決めておくと冷静さを取り戻しやすい」という――。

※本稿は小林弘幸『自律神経が整えば、仕事も人間関係もうまくいく』(KADOKAWA)を再編集したものです。

テーブルに水を持つ女性
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ストレスの正体を見極めて対処する

社会生活の中では、さまざまなストレス要因に出合います。しかしストレスから逃げてばかりいては、仕事や人間関係などは成り立たないでしょう。

「ストレスがなければいい」と単純に考えるのではなく、自分にダメージを与えているストレスの正体を「見える化」し、メンタルではなく、体の反応を注意深く観察することが大切。このとき、自律神経を整える意識を持ち、対処法を知っていると、ストレスとの向き合い方が変わります。

ストレスによって、過剰なダメージを受けないようになってくるのです。

ストレスと自律神経は密接に関係しています。

自律神経は交感神経と副交感神経に分かれ、交感神経は「活動するための神経」、副交感神経は「休むための神経」です。人間の体は何かしらのストレスを受けると、交感神経が高まります。この交感神経が上がっている状態でも、副交感神経が下がらず、自律神経のバランスが著しく悪くなければ、問題視する必要はありません。