自律神経のバランスが崩れると血流が悪くなる

問題なのは、交感神経が上がると同時に、副交感神経が極端に下がってしまう状態。副交感神経が低下すると血管が十分に拡張しないので、まず血流が悪くなり、同時に内臓機能も低下するため、血液の質そのものも悪くなります。

自律神経のバランスが崩れると、赤血球が変形したり、くっついたり、完全に壊れてしまうケースも。すると、酸素を体中に十分に運ぶことができなくなり、脳の働きが悪くなるなど、体にはさまざまなマイナス反応が出てきます。

そこで、自律神経のバランスを整える意識が重要になりますが、その中でのポイントのひとつが「行動を決める」あるいは「行動が決まっている」ということです。具体的な対処法をご紹介しましょう。

上司に叱られた後のルーティーンを決めておく

たとえば、上司に叱られるというストレス要因に出合ったとき、たいていの人は自分の席に戻って怒りを持続させたり、落ち込んだり、反省したりするでしょう。

しかし、残念ながらこの方法では、自律神経は整いません。ほぼ間違いなく、自律神経のトータル的なパワーは下がっていくでしょう。冷静な判断ができず、集中もできません。

ここで私が提案したいのは「上司に怒られたときは、休憩室に行って水を飲み、ゆっくり深呼吸をする」というルールを決めておくことです。

ルールとして決まっているのですから、そのときの感情、状態、自律神経など、余計なことは一切考えず、ただ休憩室に向かえばいいだけです。

そのルールが「自律神経を整える」「副交感神経の働きを高める」ものであれば、自律神経のバランスが崩れず、自然にトータル的なパワーが上がり、冷静に物事を考えられるようになります。

上司に怒られて交感神経が跳ね上がっているときにわざわざ「なぜ、あんな失敗をしてしまったんだろう……」なんて、深刻に考える必要はありません。

まずは、自律神経の状態を整えて「考えるのに適したコンディション」をつくってから、思う存分悩んでプラスにつなげればいいのです。

怒られてもすぐには反省しない。

そのための行動や反応を「決める」「決めておく」ことが大事になるわけです。