店の規格は多種多様
今回、駆け足で3店舗を回ってみたので、ブランドの横顔として紹介したい。
JR名古屋駅に降り立った人が、最も足を運びやすいのが「らーめん寿がきや 名古屋エスカ店」(名古屋市中村区)だ。出張者にはおなじみの新幹線地下街エスカにあり、同駅新幹線改札から徒歩数分で着く。「スガキヤ」のハイブランドとして誕生し、20年以上の歴史を持つ。
店構えもメニューも異なり、いわば派生ブランドという位置づけ。同店には餃子や唐揚げもある。今回は「白ラーメン」(670円)を注文した。おなじみの白濁色のスープだが、チャーシューの厚さやトッピングも少し異なる。
「スガキヤのラーメンに近い、魚介+とんこつ味です。くわしい作り方は企業秘密ですが、食材や製法を少し変えています」(高岡さん)
通常の「スガキヤ」に行きたい人は、名古屋駅から徒歩8分ほど歩いた場所に「イオンタウン太閤店」(同市中村区)がある。筆者は歩いて行ったが、駐車場完備のショッピングセンターなので、お客の大半はクルマでやって来る。
マーケティンググループの若山昌樹さんは、こう説明する。
「フードコートの一角ではなく、独立型店舗というスタイルです。店の前が駐車場なので、クルマで乗り付けて食事をして、施設内で買い物をされるお客さまもいます」
スガキヤの売り上げ1位店は岐阜にある
「日によって違いますが、昨年オープンした『東山動植物園店』(名古屋市)は、1日の売り上げが最も多い店になることが多い。また、2021年4月~2022年3月の年間では『イオンモール各務原店』(岐阜県各務原市)が年間売り上げ1位となりました」(若山さん)
愛知県に次いで「スガキヤ」店舗数が多く、県内に約40店ある岐阜県。JR名古屋駅から東海道線の新快速に乗って約20分、JR岐阜駅に降り立った。
近年リニューアルされ、駅ビルや駅前はかなり洗練された。北口広場には市制120周年を記念して、市民の寄付により建立されたという黄金の織田信長公像がそびえ立つ。
今回はスケジュールの都合で、ここから徒歩7~8分の「名鉄岐阜駅前店」に行ってみた。国道157号線沿い、アーケードの岐阜駅前中央商店街にある。「マクドナルド」(国内店舗数約2960店)と並んでいるのが地元での存在感を示す。平日の12時台ということもあり、「スガキヤ」には来店客が次々に訪れていた。
これまでの取材感覚では「岐阜は時に名古屋よりも熱い」と思う。よく知られているように、喫茶店のモーニングも名古屋をしのぐサービスを提供する店があり、「プロ野球の中日ドラゴンズの熱狂的ファンは、名古屋市民よりも岐阜市民」という声もある。
岐阜駅前の「スガキヤ」を訪れ、そんな意識もよみがえってきた。