「子どもに事業をやらせる」方法もある
トラブルが起きてしまうのは、子どもに財産を残そうとするからです。
家族が争う悲しい状況を引き起こしたり、不本意な晩年を過ごすくらいなら、自分のためにお金を使うほうがよほど健全でしょう。
あるいは、子どもに事業をやらせて、その事業にお金を投資してみてはどうでしょうか。
この場合、子どもが事業に失敗し、1円も残らないこともあり得ます。ただ、仮にそうなったとしても、子どもには事業の経験と、社会を生き抜く力が残るはずなので、ただ漫然とお金を残すよりいいのではないかと思います。
また、遺産という動かないお金を残すより、子どもの事業に投資したほうが、社会の活性化にも役立つのではないでしょうか。
お金は子どもには残さず、自分の楽しみのために使う。これが賢いやり方として、現代の新常識になればいい、そう私は願っています。
お金を使うのは「脳を活性化するチャンス」
「お金を使う」という行為には、その人の個性が如実にあらわれるものです。
経済的な余裕がないのに、気に入った服をポンポン買う人もいれば、お金があるのに、安いTシャツをさんざん吟味して買う人もいます。
趣味の道具を買う場合は即決するのに、スーパーで食料品を買う場合は迷ってしまうという人もいます。
「お金をどう使うか」を考えているとき、その人の前頭葉は活発に働いています。
「何にどのくらい使うと予算内に収まるのか」「何を買えば満足できるのか」を考えるのは、実はかなり奥が深い問題なのです。
「買う」という行為は、創造力や企画力、計画力など、さまざまな能力が問われる、きわめてクリエイティブな行為です。
お金を使うたび、脳を活性化させるチャンスが訪れている、と考えるといいでしょう。