不安を感じたまま再び入り、不安が消えていればOK

③ いったん、エクセレントサークルから出ます。

④ もう一度、エクセレントサークルに入ります。

ここではすでにリソースフルな状態(自分の持っている資源や能力を最大限に発揮している状態)になっています。

⑤ 「エクセレントサークルを出る→エクセレントサークルに入る」をテンポよく繰り返します。

⑥ 再びエクセレントサークルに入ります。エクセレントサークルに入ったとき、スピーチがうまくいった状態や感情(その風景はどんなふうに見えたり、聞こえたり、感じたりしたか)を言語化します。

⑦ いったん、エクセレントサークルから出ます。

⑧ ①でイメージした成果を得た感じに対して、エクセレントサークルを出て感じた不安を言語化します。その不安を感じたまま再びエクセレントサークルに入り、不安が消えていればOKです。

⑨ いったんエクセレントサークルを出て、もう一度、①でイメージした成果を得た場面をイメージします。どこで、誰と、どんな様子だったか。⑧で感じた不安はどう変化していたのかを感じます。

⑩ 最後にエクセレントサークルに入り、最高の状態を十分体験してサークルを出ます。そして、この状態をいつでも取り出したり、しまったりできるようにします。

不安は過去に決めつけた「思い込み」から生じる

この方法は、プレゼンをする、会議で発言をする、面接をするというようなときでも使えるテクニックです。

エクセレントサークルをつくると、うまくいっている状態がいつでも取り出せるようになり、状態と感覚が一致していきます。実際に、脳というのはイメージと現実が区別できないと言われています。いわゆる思い込みというものですが、そもそも不安を感じるのも過去に決めつけてしまった思い込みから生じているものも多くあります。

ですから、いいイメージを最初につくっておいて、それをいつでも取り出すために、あなたの最高のイメージに書き換えてしまうのです。

柳川由美子『晴れないココロが軽くなる本』(フォレスト出版)
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私がクライアントさんにカウンセリングをするときも、実際にエクセレントサークルをつくってもらい、何度か出たり入ったりをしてもらいます。「どんな人が周りにいますか?」「そのときの身体はどんな感覚ですか?」などと質問をしていき、クライアントさんのリソースフルな状態をつくっていきます。

そして、それをいつでも取り出せるように、具体的に「右のポケットにしまって、いつでも取り出せるようにしましょう」とお伝えしています。

最後に、大切なのは自分の思いが伝われば、それで十分だというくらいの気持ちで臨むことです。たとえ言葉に詰まったり、完璧に話せなくても、聞いている人のハートに自分の声を届ける感覚でいいのです。

まずは、人前で話す前に自分をリラックスさせることです。リラックスと不安は同居しません。まずは身体から余分な力を抜くことが大切です。

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