「自分自身に対して言っている言葉」に耳を傾ける
会社でのこうした不安は、過去に上司から叱責されたという経験をしたということもありますが、そうした経験がなくても、ミラーニューロンの働きによって大きく影響を受けているのです。
もともと不安を感じやすい人は、繊細で敏感な人が多いので、人の機嫌に敏感で顔色をうかがうようなところがあります。また、周りの人のイライラや職場のピリピリした雰囲気を感じ取ってしまいます。
そんな中で、「聞きたいことがあれば、いつでも来ていい」と上司に言われたとしても、自分が聞きたいことも聞きに行けず、かといって、そのためにミスをしてしまったらどうしようと、これまたネガティブ沼へとはまっていってしまうのです。
カウンセリングでは、不安なときに、「どのような内的な会話をしているのか?」ということを詳しくうかがっていきます。
内的な会話とは、簡単にいうと「自分自身に対して言っている言葉」です。
朝はネガティブになりやすい
たとえば、「上司がいまはなんか忙しそうだし、こんなこと言ったら迷惑をかけるのではないか……」とか、「いまさらこんなことを聞いてバカにされないだろうか……」など、自分自身に言っているのです。
そのうえ、ミスすることも恐れていますから、そうした感情を日中職場で思っていると、寝る前も朝目覚めても内的な会話を持ち続けます。結果、「なんでこんな自分がいるんだろう……」→「自分はダメな人間だ」と、会社に行きたくなくなってしまうのです。
とくに朝は顕在意識がボーッとしているので、うつうつとした気分で目覚めますし、内的な会話も嫌な言葉が多く出るようになります。
朝が嫌いだという人には、「オーディトリー・スイッシュ」という方法をお伝えしています。これは「NLP(Neuro Linguistic Programming)」という神経言語プログラミングを用いた心理学の分野で、嫌な音(ここでは上司が叱責している音など)に対する認識を書き換える方法です。