O型はマラリアの劇症化リスクが低い
たとえばスウェーデンのカロリンスカ研究所が発表した論文(*4)によれば、O型はマラリアに罹っても劇症化しにくいそうです。原理は単純です。
マラリア原虫の病原性は赤血球が鍵を握ります。一方、血液型とは赤血球の表面の「ざらつき」の違いです。感染時の脳血流の減少がO型では少ないのです。ナイジェリアではO型が人口の多数を占めますが、これはマラリアによる淘汰の結果かもしれません。
血液型が脳血流に影響するのであれば性格にも関連するはずです。アメリカ自殺研究センターが、先進国における自殺要因を大規模に解析したところ、国を超えて最も普遍的な要因は、年齢や離婚歴や酒などの環境因子ではなく、血液型にありました。O型は自殺率が少ないのです。
血液型占いを、あたかも星占いのように気軽に扱う日本人は、案外と、遺伝情報が孕む危険性を軽視しがちなのかもしれません。
(*4)Goel, Wahlgren(Nat Med 2015). RIFINs are adhesins implicated in severe Plasmodium falciparum malaria