ハーバード生が例外なく身に付けている特徴

一方で、笑顔とユーモアがある家庭の子どもは、安心して失敗したり間違えたりできます。

「間違ってもOK。あとで修正すればいいのだから」と、自分の考えや主張を親や先生といった周りの大人たちに堂々とアピールできます。このコミュニケーション能力や自己肯定感が、のちのち社会に出てから大きな支えになることは言うまでもありません。なぜなら、世の中に1人でできる仕事はなく、自分の得意を差し出して、相手に苦手をフォローしてもらう、という関係性を築くためには、いわゆる“かわいげ”があることがマストだからです。

“かわいげ”は、どんなに優秀でも、それだけでは生まれません。失敗も笑い飛ばせるようなユーモアある関係性に育まれて、初めて身につけられるものなのです。私がSIJの講師の仕事をお願いするハーバード生たちは、もちろんみんなものすごく優秀なのですが、それだけでなく例外なくこの“かわいげ”を身につけています。

それというのも、彼らは親に減点されるどころか“I’m proud of you.(あなたを誇りに思うよ)”と言われながら育っているからです。娘のすみれのハーバードの入学式でも、5分に1回は笑いが起こっていました。堅苦しいはずの式典でも、学部長などの登壇者と次の登壇者のスピーチの間には、学生のコンビが現れて、コメディを披露するのです。会話に笑いがあるのはコミュニケーションの基本だからです。

ハーバードキャンパス
写真=iStock.com/marvinh
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ユーモアで否定文を言い換える

「え、今さらユーモアなんて」「子育てにユーモアが必要なんて聞いたことない」という声が聞こえてきそうです。けれど、何も芸人さんみたいなお笑いを披露しろ、ということではないし、もちろん駄洒落だじゃれを言えばいいわけではありません。ユーモアとはつまり、会話に緩衝材、クッションがあるということです。

どうしたら家が明るくなるのか分からない、という方のために、今すぐできる方法をお教えしましょう。否定文で考えたら、肯定文に変換して言葉がけすることです。いわゆるリフレーミングです。

たとえばこうです。

否定文:「こんなこともできないなんてダメじゃない!」
→肯定文:「これができたらもっとすごい子になるね!」
否定文:「なんで算数のテスト、70点しか取れなかったの?」
→肯定文:「お母さんなんて昔、いつも50点しか取れなかった。すごい!」
否定文:「宿題まだやってないの?」
→肯定文:「宿題大変なのねえ。○○くんのお小遣いから、宿題お助け先生雇っちゃえ!」