「伸びる子」の家庭は笑顔が絶えない

10年後、いえ、5年後には、どんな職業や会社が残っているか分からない時代です。価値観が激変しつつある今、これまでの価値観にとらわれずに未来に生きる子どもたちには、チャンスがあります。どうか他人軸な発想を捨てて、お子さんを信じるところから始めてください。

・ルール2
笑顔とユーモアを大切にする

伸ばせない親:表情が暗い
伸ばす親:笑顔でよくしゃべる

これまで数々のセミナーやレッスンで1万人以上の親子を見てきましたが、子どもを「伸ばす親」「そうでない親」の違いとして、はっきり言える特徴が1つあります。

「伸びる子」が育つ家庭に共通する要素。それは、親の学歴でも経済力でもありません。「伸びる子」が育つ家庭の特徴とは、とにかく明るいこと。親御さんの表情が明るいのです。逆に言えば「伸びない子」は、本人もですが親御さんもなぜか表情が暗い。この違いはズバリ、家庭内の会話に、ユーモアと笑顔があるかどうかです。面談をしていても分かります。

親と一緒にいる子どもがまったく話さないか、話しても親と同じことしか言わない、という家庭があるのです。こういう家庭では、子どもが親の顔色をうかがって、親の言うことを黙って聞いているため、発想がそれ以上伸びていきづらい。

一方で、「伸びる子」の家庭は、親もよくしゃべるし、子どもも負けずによくしゃべる。それどころか、子どもの発言は親の口真似ではなく、オリジナリティがあるので、話が討論になって発展していったりします。日頃から、親子で心をオープンにした本音の意見の交換をできているからこそです。

「減点方式」では自己肯定感が育たない

なぜユーモアが大切かというと、ユーモアは、失敗を笑い飛ばせるくらいの心の余裕から生まれるからです。

「どうして~~できないの」「~~できないなんてダメじゃない」と、失敗を1つ1つカウントしていく「減点方式」の家庭は、途端に笑顔がなくなり、暗くなります。そういう家庭で育った子どもは、「失敗したくない」という気持ちが先に立ち、間違えを極端に恐れるようになります。

母は居間で息子を叱る
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「失敗なんてしないで育ったほうがいいんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、失敗を恐れて育つことの問題は、「間違えるくらいなら何もしないほうがいい」と、新しいことへのチャレンジをしなくなってしまうことです。新しい挑戦をして小さな達成感を積み重ねたり、自分の得意を見つけたりする機会のないまま、「どうせ私の意見なんかたいしたことない」と、低い自己肯定感が一生モノになってしまうのです。