ユニクロの地位は安泰
ユニクロには無印良品に対するメイソウのような強力なライバルはいるのだろうか。中国でのユニクロのライバルはGAPだったが、大量閉店をし、中国市場からの撤退も視野に入っているという。
GAPはユニクロとポジションが似たアパレルチェーンだったが、品質面やコストパフォーマンス面での評価でユニクロを上回ることができなかった。
また、女性向けにはH&MやZARAなどのファストファッションがユニクロのライバルになるが、流行を追いかけ、次々と新しい商品を買うというファストファッションそのものが消費者から避けられるようになっている。
日本企業だからではなく日系元素が好まれている
中国企業の日系元素学習スピードは速い。メイソウは以前、創業者に日本人デザイナーの名前を使い、ロゴには日本のカタカナを使い、日本企業だと錯覚させるような要素を散りばめていた。しかし、このような要素を2023年3月末までにすべて排除した。
これは、パクリ批判に対する反省からではなく、すでに「メイソウ=日系元素」が浸透をしたため、わざわざ日本の記号を用いる必要がなくなったためだ。ユニクロと無印良品が人気なのも、日本企業だからではなく、日系元素商品の本家本元であるからだ。
メイソウは東南アジアを中心とする海外進出にも積極的で、中国以外の地域にすでに2115店舗(2022年末時点)を展開している。東南アジアでは、人口構成が若いこともあり、中国の若年層と同様に日系元素商品がウケている。日系元素は、中国企業により東南アジアに広がろうとしているのだ。
「簡素、自由、快適、健康」といった日本デザインは、間違いなく日本の優れた発明のひとつだが、私たちはその国際的な価値を低く見積もりすぎているのかもしれない。