ソニー、富士フイルム、テルモそれぞれの思惑

支援先から見たオリンパスの魅力は、やはり圧倒的な世界シェアを誇る内視鏡部門。日本の宝でもある。(Bloomberg/Getty Images=写真)

3社がオリンパスの支援を引き受けようとする理由は、言うまでもなく世界市場で7割超という圧倒的なシェアを持つ内視鏡を抱える同社の医療関連事業だ。

主力のテレビ事業が赤字体質から抜け出せないソニーは、経営再建に向けた成長戦略の一つに医療機器分野を位置付ける。その意味でいえば、オリンパスへの出資によって同分野で相乗効果を引き出せるとの期待は、ソニーに強い。オリンパスにしても、最重要課題である不振のカメラ事業を立て直すには、業界上位に位置するソニーとの協業は大きなメリットがある。部品の共同調達などでコスト削減効果を引き出せれば、双方にプラスで、ソニーがオリンパスの支援先として最有力視される根拠となっている。

一方、テルモは昨年、米国の輸血機器大手カリディアンBCT(現テルモBCT)を約2100億円で買収するなど、医療機器メーカーで世界トップテン入りを目指している。オリンパスとの経営統合が実現すれば、その目標に手が届く。テルモは2005年にオリンパスに出資し、事業連携を進めてきた経緯もあり、親和性という点で実績もある。ただ、カメラ事業については、テルモとの統合効果はほとんど見出せず、この点で、同社の提案がオリンパスの株主などに受け入れられるかは不透明だ。

富士フイルムHDについては、カメラ、医療機器というオリンパスと重複する事業を抱え、それぞれの事業の成長戦略を描くうえで、同社への出資、事業連携は魅力がある。しかし、経営統合も滲ませる富士フイルムHDの姿勢に対して、オリンパス側には「のみ込まれる」という強い警戒感があることも否めない。

確かに、支援先の3社にはそれぞれの思惑はある。しかし、オリンパスの現状を見据えれば、資本受け入れや統合提案をこれ以上引き延ばせる余裕があるはずもない。資本注入以外に選択肢がなくなったいま、同社の株主もマーケットも、これ以上の遅れは待ってくれない。一刻の猶予もない中で、生き残りを懸けた迅速な決断が同社には求められる。