「なるべく」、「だいたい」……副詞にも注意する

変換ミスを防ぐために意識してほしいことが一つあります。それはコミュニケーションに形容詞を使わないことです。

早い、遅い、大きい、小さい、多い、少ない、高い、低い――。

これらの形容詞は、情報伝達において誤解を生む原因になります。

たとえば「早く資料が欲しい」といったとき、「いますぐ」という意味なのか、「2時間後」なのか、あるいは「定時の17時まで」や「明日の朝まで」なのか。それが曖昧なままだと、相手は「早く」を自分の尺度で解釈して行動します。その結果、こちらは「いますぐ」のつもりだったのに、資料が届いたのは次の日だったという事態が起きるわけです。

こういった事態を防ぐためにも、仕事上のコミュニケーションには、お互いが共通の単位として使えるコトバを用いることが必要です。

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思考の変換ミスを避けるには絶対的表現を使う

共通の単位として活用したいのが数詞です。「早い時間帯に」は聞く人によって頭に思い描くものが変わるので共通の単位になりませんが、「午後3時までに」といえば誰でもわかります。時刻の読み方は小学校で習い、基本的に海外でも通じる。まさしく共通の単位です。

日本語には、形容詞以外にも曖昧さをともなうコトバがいろいろあります。ビジネスでいうと、「まとめる」、「やる」、「対応する」といった動詞や、「なるべく」、「だいたい」といった副詞がそれにあたります。

これらのコトバは使い勝手がいいので、つい多用してしまいます。使うなとはいいませんが、これらの言葉も数詞に置き換えたほうが指示は明確になります。

たとえば大量の資料とともに、「これ、まとめておいて」という指示を出されても、言われたほうは、どの程度までまとめるべきなのかわからずに困惑します。指示は、「A4判で2枚にまとめておいて」と数詞で伝えたほうが具体的であり、時間のロスを減らすことができます。

※『ビジネススキル・イノベーション』第2章 時間と感情のロスを減らす(プレジデント社刊)より