株主優待は投資家の楽しみの一つだが、最近は廃止や改悪をする企業が相次いでいる。ファイナンシャルプランナーの藤原久敏さんは「株主優待に逆風が吹いているとも言えますが、そんな中で買っておきたい2銘柄を厳選しました」という――。
吉野家 新大久保駅前店
写真=iStock.com/Kokkai Ng
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株主優待に逆風。廃止や改悪などが相次ぐ

自社商品や買物券、お食事券などがもらえる株主優待銘柄は、個人投資家に根強い人気を誇ります。

しかし、突然の優待廃止や改悪も少なくなく、その場合には、大きなショックと、株価暴落による損失のWパンチを受けることになります。

とくに近年では、そんな優待廃止・改悪の傾向が強まっています。

そんな中、私の保有する優待銘柄も、ここ最近、次々と優待廃止・改悪となり、あらためて、株主優待投資についていろいろと考える機会となりました。

そして、そんな優待逆風の中でも、いや、逆風の中だからこそ、自信をもって持ち続けたい優待銘柄があることに気付きました。

そこで今回は、優待銘柄の「矛と盾」と言ってもよい、大本命の2銘柄を紹介したいと思います。

優待廃止銘柄は株価も下落する可能性大

昨年8月、「いきなり!ステーキ」で一世を風靡ふうびしたペッパーフードサービスが株主優待(年間2000円分の優待券)を廃止しました。

この突然の廃止は、店舗名をもじって「いきなり!優待廃止」とも揶揄され、格好のネタにもされました。

そして今年2月には、「香の川製麺」を運営するフレンドリーが優待(年間2000円分の優待券)を廃止。

こちらは昨年3月に優待を復活させたばかりだっただけに、「1回で終わりかよ」と、多くの投資家を失望させました。

※当記事においては、各社の優待内容は100株保有の場合。

私自身、いずれも楽しみに保有していた銘柄だったので、残念でした。

そして、いずれも優待廃止発表直後に株価は暴落し、その後も低迷、現在、株価は廃止前の半額にまで落ち込んでいます。

ただ、両社とも業績・財務状態は厳しく、不安定な経営状態ゆえに、ある程度は、優待廃止の覚悟はしておりました。

それよりも大きなショックだったのは、同じ外食優待でも、「吉野家」や「すかいらーく」の優待改悪でした。