ではどうしたらいいのか。

「親には老人世帯で最後までがんばってもらう。どうにもならなくなったら、施設に入る、それが最善の方法です」

育ててもらったから、苦労している姿を見ているからという、親子の情は承知の上だ。

介護に情をからめるから、ドロドロになってしまう。きっぱり割り切って“介護プロジェクト”と頭を切り替えてしまうと、問題がクリアになる。

例えばかかった費用はすべて「必要経費」として考える。そうすれば「男の沽券」を傷つけることなく、交通費を請求できるだろう。

親の財布と自分の財布は別。介護にかけられるお金の上限を決めておく、受けるサービスの種類も兄弟間で話し合っておく。できること、できないことを感情をからめずにクールに話し合うことが大切だ。

図2:※NPO法人パオッコ「2005年遠距離介護アンケート実施結果」
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図2:※NPO法人パオッコ「2005年遠距離介護アンケート実施結果」

太田氏が力を入れてアドバイスするのは、「介護は情報戦である」ということ(図2)。

「意外と女性は情報を集めることが苦手です。親が住む市の役所に電話して資料を請求しても、つれなくされるとへこんでしまって、二度と電話できなくなってしまう。男性ならその点、仕事で断られたりつれなくされることに慣れていますからね、必要な情報をGETするまで、あきらめずに何度もトライし続けることができる」

特にウェブは情報の宝庫である。

「ここも男性の出番です。オムツ替えや食事の介助だけが介護じゃない。そう考えればもっと介護に参加することができるはず」

仕事が忙しいからと子育てに協力しそこない、妻の信頼を失っている男性は多いはず。親の介護は、老後を控えた自分たち夫婦の関係を見直す、試金石なのだ。