ダラダラぐせは「偏食」という共通点
デンマーク・オールボー大学のアーネルト・ハンセン氏は、コペンハーゲン・マラソンに参加するアマチュアランナーにお願いし、片方のグループには、マラソン前に好きなものを食べてもらい、一方のグループには、栄養学に基づいたエネルギーのタブレットを飲んでもらいました。
このタブレットには、1粒あたり20グラムのマルトデキストリンとグルコース、0.02グラムのナトリウム、0.03グラムのカフェインが入っています。
大会が終わったところでタイムをみてみると、好きなものを食べてもらったグループは平均3時間49分26秒で、きちんと栄養をとってもらったグループでは平均3時間38分31秒という結果になりました。きちんとした栄養をとっておくと、パワーが出るのか、タイムも速くなることがわかりますね。
しっかりと栄養をとっていないのに、「やる気だけ出そう!」と思っても、これはムリですよ。エネルギー不足なら、やる気が出なくて、ダラダラしてしまうのも当たり前といえば当たり前のことです。
ダラダラぐせのある人には、だいたい共通して「偏食である」という特徴がみられるのですが、必要な栄養をとっていなければ、ダラダラしてしまうのもしかたないのかな、という気がします。
普段、自分がどんなものを食べているのか、必要な栄養は足りているのか、そういうこともちょっと考えてみてください。「なんだ、私がダラダラしちゃうのは、単純に食事に問題があっただけなのか!」ということに気づけるかもしれませんよ。
「疲れたときには甘いものを食べるとよい」の真実
必要な栄養をとっていないと、やる気が出ませんというお話をしました。
これに関連してもう1つお話をしておきますと、意思力や精神力のようなやる気に関係している栄養素は、グルコース(ブドウ糖)です。私たちがやる気を出すにはエネルギーが必要ですが、そのエネルギーは、グルコースによって生まれるのです。
したがって、「どうにもやる気が出なくて、ダラダラしちゃうんだよねえ」という人は、ブドウ糖を多く含んだ、ブドウやバナナ、はちみつなどを積極的に食べてみてください。「あら、不思議、なんだかやる気が出てきたぞ!」という気持ちになれることを保証します。
アメリカ・オハイオ州立大学のブラッド・ブッシュマン氏によると、グルコースが足りていない人は、自分の感情をうまくコントロールできなくなる、と述べています。感情をコントロールするにはエネルギーが必要なのですが、そのエネルギーの源はグルコースですから。
グルコースが足りていれば、私たちは、やりたくもないことでもけっこう何とかこなせるものです。
昔から、「疲れたときには甘いものを食べるとよい」といわれているのは、本当のことだったのです。いまいち気分が乗らないときには、何か甘いものを口に入れることです。
「そうはいっても、甘いものを食べていると、太ってしまいますよね?」という心配をする人もいるでしょうね。
たしかに、そんなに甘いものばかり食べていたら、肥満になってしまいそうです。