質疑応答で即落ちになる人の4つの共通点

合格者を選ぶのは難しいが、質疑応答で不合格になる人の共通点はいくつかあるらしい。学生の回答によっては「即落ち」の場合もある。代表的なパターンは以下の4つだ。

① ビジネスセンスが感じられないマニュアル漬けの人
② 実績だけを強調し、先の展望を示せない人
③ 「自分も成長したい」成長派を気取る中身がない人
④ ウソをつく人

大学の中には外部講師を就活セミナーに呼んで志望動機やアピールの仕方など詳細な模範解答を学生に暗記させているところもある。

そのことは当然面接する側も把握している。前出の住宅メーカーの人事担当者は、①のマニュアル漬けの学生に対して暗記している内容は聞かず、マニュアル外しをして見極めているという。

「たとえば最初に『○○さん、おはようございます。朝ご飯は何を召し上がりましたか』と丁寧に聞けば、マニュアルでインプットしていない学生も丁寧な言い方で返事をしてくる。そこで、『○○君、今日の朝飯何を食ったの』とわざとフランクに聞いてみる。すると、『今日は母に作っていただいたご飯を食べてまいりました』と答える学生がいます。これは明らかなマニュアルだなと判断できます。取引先との商談にはTPOがある。相手の言動に合わせて対応しなければうまくいきません。この学生は対応力が欠如していると見てしまう」

さらに「そういう人に限ってお客さんと会うと、いきなり建築計画書を出して、工期はいつまで、価格はこうです、とやりかねない。そんなことでは商談も成立しない。営業センスというのは相手との間の取り方、コミュニケーションを通じた人間関係の構築が前提。マニュアル仕込みの丁寧語、謙譲語はともかく、この業界ではどういうビジネスをしているのかを考え、自分の言葉を使ってどうやって売り込むのか、相手に納得させるセンスがない人はいらない」と語る。

リクルートスーツで面接に臨む女性
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです

同様に②(実績だけ強調し、先の展望を示せない人)のようにアピールポイントがずれている人も落とされる確率が高い。前出のIT企業の人事担当者は「社会に対して何かクリエイティブな発信をしたい、何らかのアクションを起こしたいというマインドを持つ人が欲しい。それを探るために、学生時代に何らかの実績を持つ人は、その中身やプロセスを聞いていく。でも、何かの大会で単に優勝したとか何位だったという実績のアピールをする学生は山ほどいる。優勝しなくても自分は何を感じてどういう行動を起こしたのかを聞きたいのに、タイトルすごいだろ、みたいなタイプは、本当は自信がないのかと思ってしまい、次の面接に上げようという気になれない」と語る。

こういうタイプは、単純に競争環境に恵まれていたから成績がよかっただけと思われかねない。

最近の企業は、目指すキャリアを設定し、それに向けて自ら学び続ける「キャリア自律」を掲げる企業が多い。