問題があるときは園や公的機関に相談を
それ以外にも、保育士や幼稚園教諭などの資格を持った職員の人数が十分かどうか、保育者の入れ替わりが多すぎないかどうか、園内が清潔かどうか、連絡帳や連絡アプリにその日のお子さんの様子が具体的に書かれているかどうかなど、入園してからも確認したほうがいいことはたくさんあります。
もしも、何かおかしいと感じたり、改善してもらうべきだと思うことがあれば、園に相談してみましょう。保護者の方が考えたのとは違う意図があったり、誤解だったりすることもあると思います。担任の先生や園長先生に相談したり、他の保護者と意見交換をして保護者会を介して申し入れをするという方法もあります。
そうして園と話し合ったりしても改善されず、問題が残るようであれば、保育所の場合は市区町村の「こども支援課」「児童保育課」「幼児保育課」などに相談しましょう。「子ども・子育て支援新制度」に移行した園や公立幼稚園の場合は「教育委員会」または市区町村の所轄課に相談します。私立幼稚園の場合は、文部科学省の管轄なので教育委員会です。いずれにせよ、市区町村に問い合わせ、お子さんが通っている施設の名称を伝えれば、どこが窓口になっているか教えてくれるはずです。
1948年から変わっていない4~5歳の配置基準
子供たちは、保護者だけでなく、社会にとっても大事な存在であることは言うまでもありません。大切な子供たちを守るには、それ相応の人手が必要です。なのに、現在の日本の配置基準は、保育士1人に対して0歳児は3人、1〜2歳児は6人、3歳児で20人、4〜5歳は30人。子供の人数に対して保育者の人数が少なすぎて、十分に目を行き届かせるのは困難でしょう。
とりわけ4~5歳の配置基準は、なんと1948年以来、75年間も変わっていません。もともと第2次世界大戦後の混乱期に作られた最低限の配置基準なので、いずれ国が落ち着いて豊かになったら引き上げるはずだったのに、現在まで後回しにされているのです。日本の4〜5歳の配置基準はOECD諸国でも極端に低い水準で、ニュージーランドは1対10、イギリスは1対13です。
政府は2015年に、1歳は6対1から5対1に、4〜5歳児は30対1から25対1に改善するとしていたものの、8年間放置されたまま。やっと岸田総理が「しっかり考えていく」と発言しましたが、これ以上「考える」必要があるでしょうか。現在のままでは、子供たちの安全を守ることができません。岸田内閣の今後の取り組みを注視し、意見を伝えていきましょう。