散歩での置き去りや水の事故も要注意

これからの季節は、遠足や散歩などに出かけることもありますね。事前に職員が経路の安全確認をして共有しておく、子供の列の前後に保育士を配置する、定期的に人数確認をして置き去り防止をするなど、気を付けるべきことがたくさんあります。

夏になると水遊びやプール遊びをする園が多いですが、子供に指導をする保育者だけでなく、監視に専念する人員を必ず配置すること、万が一にも溺水事故が起こった際のために心肺蘇生術の訓練をしておくことも大切です。

時折、なぜそんなことが起こり得るのかわからないと思うような置き去りや閉じ込め、溺水などの悲しい事故のことが報道されますね。私の患者さんのなかに、保育所内でトイレに閉じ込められてしまったというお子さんがいました。無事に見つかってよかったのですが、本来なら決して起きてはならないことです。

こういったことを書くと、保育所や幼稚園などに子供を通わせるのが怖くなる人もいるかもしれません。でも、もちろん安全な園のほうが多いので心配しすぎないようにしましょう。一方で、保護者も保育事故のリスクについて知っておくことは重要なことだと私は思います。

砂場
写真=iStock.com/maximkabb
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子供を守るために保護者にできること

では、こうした事故を未然に防ぐために、保護者にできることはあるでしょうか。まず、園の先生や職員の方と日頃からコミュニケーションを取り、お子さんについての情報交換をし、意思疎通が取れるようにしてください。

その他、以下の点をチェックしたり、教えてもらったりするといいと思います(『子どもがすくすく育つ幼稚園・保育園』猪熊弘子・寺町東子著 参考)。

(1)保育している様子や保育室を見せてもらう

安全性に問題のある保育施設ほど、中を見せない傾向があるそうです。園に入る前に説明のあったことと相違ないか、お子さんがどのように過ごしているかを、ぜひ見せてもらいましょう。

(2)午睡時、どのように寝かせているかを聞く

仰向けで寝ているか、どのような寝具で寝ているのかは重要です。一人用のサークルベッドに数人の子供を同時に寝かせたために、折り重なって窒息事故が起きた事例もあります。睡眠中の部屋の明るさ、見守る人が不在になったりしないかどうかも併せて確認しましょう。

(3)食事やおやつの内容と見守り体制を確認

食事やおやつの内容が発達段階に合っているかどうか、食事の際の見守り体制が十分かどうかを確認しましょう。重篤なアレルギー症状であるアナフィラキシーショックや誤嚥を防ぎ、また万が一にも事故が起こった際に素早く対応するためには、複数人による見守りが必要です。ですから、食事の際に保育者の数を増やしているかどうかが重要だといえます。