坐骨モゾモゾ座り

方法/(右)まず、椅子に腰かけ、「モゾモゾ」と言いながらお尻を左右に動かし、それぞれのお尻の中心にある坐骨を探す。坐骨を見つけたら、椅子にこすりつけるようにして左右に小さく動かす。(左)次に、短い2本のレールの上を滑らせるようなイメージで、坐骨を軽く前後に動かす。次に坐骨で足ぶみするように、軸を意識しながら「右、左、右、左」と坐骨を交互に椅子に押しつけていく。

効果/坐骨がまっすぐに立つことで背筋もピンと伸び、軸が通りやすくなる。骨盤底筋や腸腰筋の強化、腰痛の改善、集中力アップにも。朝、パソコンの起動中に行うのもお勧め。

柱角背骨スリスリ体操

方法/背骨と肋骨をつなげている関節の筋肉を刺激する体操。柱の前に立ち、柱の角に背骨の左側の際を当てる。「スリスリ」と言いながら身体をゆっくりと上下に動かして、柱の角で背骨と肋骨の間をこする。背骨と肋骨を切り分けるようなイメージで。終わったら、背骨の右側も同じように行う。背骨の意識がはっきりし、背骨の前にすーっとしたラインが感じられるようになればよい。

効果/軸の形成に効果的。背骨の意識をはっきりさせることで軸ができやすくなるのだ。背骨の両脇には神経が集中しているため、ここがゆるむと脳機能が高まり頭がすっきりする。

ゆる体操を実践したビジネスマンの声

焦りが減り、部下との人間関係も良好に/杉浦浩一さん(43歳・不動産会社経営 )

三十代になり、身体の衰えを感じるようになったことがゆる体操を始めたきっかけです。実際やってみると健康面以外にも様々な変化が表れました。人間関係では、かつては部下と意見が対立して争いになることが多かったのですが、今は相手の話を聞いたうえで説得できるようになりました。推測ですが、身体がゆるんだことで、人との信頼関係を築きやすくなったのではないでしょうか。もう一つ大きな変化は焦りが減ったことです。仕事では攻めるばかりではなく、待つことが必要なときもあります。そんなときも以前より落ち着いて待てるようになりました。

※ゆる体操は運動科学総合研究所が開発、指導を行っている体操です。ゆる体操の指導はNPO法人日本ゆる協会の公認資格をとってから行うようにしてください。
※すべて雑誌掲載当時

運動科学総合研究所所長
高岡 英夫

武術家、運動科学者。東京大学卒業後、同大学院教育学研究科を修了。大学院時代に、西洋科学と東洋哲学を融合した「運動科学」を創始し、人間の高度な能力と身体意識の研究に携わる。『仕事力が倍増する“ゆる体操”超基本9メソッド』『頭が必ずよくなる!「手ゆる」トレーニング』『「ゆるめる」身体学』など、著書は80冊を超える。

「ゆる体操」とは、高岡氏がヨガ、気功、呼吸法、ストレッチ、武術などのエッセンスを取り入れて開発した、身体をゆるめることで身体や脳の機能を高める体操法。「モゾモゾ」「ゴロゴロ」などの擬態語を声に出しながら楽しく手軽に取り組めるのが特徴。全国各地に教室もあり、オリンピック選手からお年寄り、企業経営者まで、多くの人々に支持されている。

 

(構成=平原 悟 撮影=市来朋久 スタイリング=中瀬純一)
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