夫からの慰謝料で長女はしばらく治療に専念
長女が帰国することになり、お金の面で危機感を感じた江川さんが筆者に相談したことで、「キャッシュフロー表を作成する→長男に現状を伝える→長男が就業に向けて動き出す」という流れを作ることができた。長男がNPO法人に通い出したことは、江川さんも予想外のうれしい展開で、長男についてはしばらく見守っていくことになりそうだ。
心配なのは、帰国を控えている長女である。キャッシュフロー表(プラン3)は、「長女が年間100万円程度を、長女自身が年金をもらえるようになる64歳までは稼ぐ」という前提で作成している。長女は独身時代に会社員として働いていた経験があるので、派遣社員などになってもう少し多く稼げそうだが、精神状態を考慮して、週に4日くらい働く設定でキャッシュフロー表を作成した。
長女曰く、「帰国したらしばらくは心療内科で治療を受けたい」という希望を持つため、夫からもらう予定の慰謝料で治療に専念することになるかもしれない。キャッシュフロー表(プラン3)では、帰国して1年くらいは治療に専念し、その後、年間100万円程度の収入を得る設定にしているが、これが後ろにずれ込むと、貯蓄が減るスピードが速まってしまう。
また長女の年齢(43歳)のことを考えても、早めに働き出すべきだろう。長女の就労は重要の課題だが、1年くらい経っても働き出す気配がなければ、今回作成したキャッシュフロー表を長男同様、長女にも見せることも提案した。
江川家は長女の離婚によって健康不安が発生した一方、長女の帰国が、長男が社会に出るきっかけになった。現状を俯瞰してみると、働いていない2人の子供と同居することになった江川さんだが、まずは長男が社会復帰してくれることを心から願っているところである。