トランス女性への差別が続いている
こうした「トイレ問題」はジェンダーレストイレに限ったものではありません。
今年2月、埼玉県富士見市の加賀ななえ市議がTwitterで、トランスジェンダー女性がトイレなどの「女性用スペース」を利用することについて懸念を示しました。
【政策の変遷について/埼玉県LGBT条例基本計画案に対するパブコメについて】
— 加賀ななえ(富士見市議会議員) (@Nanaekaga) February 26, 2023
私は今まで「性の多様性の尊重」はあらゆる人の人権や生命がされ、誰の人権も侵害しない事柄であると考え、政策として取り組んで参りました。
しかし、今回、その政策の変遷についてご説明する必要があると考え発信します。 pic.twitter.com/YHOTSQT1d3
「心の性がどうであろうと、身体が男性の人が女性用スペースを使えるという社会的合意は作るべきではない。『心は女性だ』と偽った性犯罪者が入り込んでも判別できないし、やはり怖い。(中略)女性用スペースに、男性はいないという前提が崩れると安心して利用できない」(加賀市議)
こうした意見に、SNSでも共感する声が多く投稿されています。「身体は男性だけれど心は女性のトランス女性が女子トイレを使用することには断固反対」という立場の人の意見が多く見られます。
日本ではなぜ「トランスジェンダー」と聞くやいなや「トイレ問題」で大炎上するのでしょうか。
性別を簡単に変えられるようになるドイツ
ドイツでは今夏、性別の変更が容易になる新しい法律が施行されます。
「本人の表明だけで役所で性別を変えることができる法律」(Selbstbestimmungsgesetz)により、「自分の性的アイデンティティーと身分証の性別が一致しない」という本人の表明があれば性別および名前を役所で変更できるようになります。
今まで性別を変更するためには、2人の医師による精神鑑定が必要で、最終的には裁判所が性別を変更できるかの判断をしていました。
新法の施行で医者の精神鑑定は不要となり、その人がトランスジェンダーなのか、ノン・バイナリーなのかいわゆる「間性」なのかは関係ありません。親の同意があれば14歳から性別を変えることが可能です。