高性能化するクルマの“穴”はバッテリー

最新のクルマは発電機の能力が高まり、エンジン回転を高くしなくても十分な発電能力を持っています。またライト類がLED化して消費電力も少なくなっているので、信号待ちでヘッドライトを消すという昭和時代の運転の常識もなくなりました。

しかしクルマが古くなると新車のときと同じにはならないこともあります。その筆頭がバッテリーなのです。

ここでいうバッテリーは一般的な12Vバッテリーです。ハイブリッド車や電気自動車などは走行用にリチウムイオンバッテリーを使ったクルマが多いですが、そんな電動車でもクルマに装備された電装品やリチウムイオンバッテリーを制御するのは、12Vバッテリーです。

ですので、これが使えなくなってしまうと、リチウムイオンバッテリーにたっぷり電気があっても走れません。(車種によっては12Vバッテリーの電気が足りなくなると、電源オフでもリチウムイオンバッテリーから自動的に充電してくれるものもあります)

自動車のメーター
写真=iStock.com/matsou
※写真はイメージです

エンジンがかかりにくいのは危険のサイン

バッテリーは温度など使う環境により劣化度合いが違います。また使い方によっても早く劣化してしまうケースもあります。

バッテリーが好む温度は人と同じ温度です。だから20〜25℃くらいが最適です。季節でいうと春か秋です。だから逆に暑い夏や寒い冬は苦手です。これは12Vバッテリーでもリチウムイオンバッテリーでも同じです。過酷な環境下で使われたバッテリーは劣化しやすいと思ってください。

もうひとつは使い方です。乗るときはちょっと走って、あとは1週間も2週間も放ったらかしにしておくのはバッテリーには良くないです。クルマはドアロックして駐車している状態でも、12Vバッテリーの電気は少しずつ減っていきます。だから数週間乗らなければ、バッテリー上がりでスタートできない状況になるでしょう。

スターターモーターの回る勢いがないとか、エンジンが始動しにくいという場合には、かなりバッテリーが減っていることが想像できます。バッテリー上がりの直前かもしれません。