家計管理は男が強い!? 妻へ協力を申し出てみよう

こうしたプランを立てるのは、ビジネスで企画・立案に慣れている夫のほうが妻より得意ともいえる。また、家計の節約にしても、会社で常に予算削減に取り組んでいる夫のほうが、細かい節約ワザより大局的に問題点を把握できるといった強みがある。

しかし、そこには落とし穴もあるから気をつけたい。

たとえば、老後資金のセミナーに参加した50代サラリーマンが、急に家計管理に目覚めて家で説教を始めるケース。当然、家族からは大ブーイング。「これまで放ったらかしだったくせに、急に何よ!」というわけだ。

たとえ会社では部長でも、家で部下に命令するように振る舞うのはタブー。特に家計については、「私にも参加させていただけませんか……」という謙虚なスタンスで臨まなくてはならない。妻にご機嫌でいてもらうのが、長い老後を平穏に暮らす最大の秘訣だからだ。

家計管理に目覚めた夫としては、口に出してケンカになるより、得意なビジネス文書形式で提案する方法をおすすめしたい。ここは、必要性と具体的なプランを企画書にまとめてみせよう。エクセルやパワポを使ってフローチャートなどをあしらうといっそう効果的だ。「アナタ、ちゃんとパソコン使えたのね!」と、思わぬところで尊敬されてしまう――かもしれない。

(取材・文=有山典子)