受信義務規定を削除し、受信料も廃止すべき
つまり、民放にはない公共性がNHKになければならないのだが、それは見当たらないという。だから、近江は、放送法第64条の受信契約義務をうたった条項は、あくまでそのようにしたほうがいいという訓示規定であり、しなければならないと強制する規定と考えるべきではないとする。
ところが放送法が改定されて、この4月から受信料不払い者に対して割増金を取ることになった。実質的に訓示規定が罰則規定に変わった。これは不当であるばかりか、時代に逆行している。
世界の趨勢は、放送は、公共放送であっても、広告を入れるなどして無料にし、ネットに移したコンテンツから従量制(見た分だけ払う)で料金を取る方向に向かっている。冒頭で詳しく述べたメディア状況は、日本だけでなく世界的に起こっているからだ。
日本も受信義務規定を削除し、受信料を廃止すべきだ。どうしてもとるというなら、イギリスがそうしているように、公共放送だけでなく、民放にも受信料収入を分配なければならないだろう。「公共の電波」を使う民放も、公共の利益になる放送サービスを提供しているからだ。