運動で消費されるエネルギーは少ない
なぜ運動ではやせないのでしょうか。それは、基本的に運動で消費されるエネルギー(カロリー)が少ないからです。
運動の種類ごとの消費エネルギーは2011年にアメリカの学術団体がまとめた一覧表を基に計算できます。
この表に載っている「メッツ」という数字が消費エネルギーに比例すると考えられていて、じっと座っていれば1メッツ、フィットネスクラブに行くと5メッツほどです。
だいたい1メッツで、1時間に体重1kgあたり1kcalの消費に相当します。
もちろん運動の内容によっても変わりますし、メッツとカロリーが比例するという仮定も大まかなものですので、細かい数字にはこだわらないでください。
50kgの人が5メッツの運動を1時間すると250kcal、1時間はきついので30分だと125kcal消費することになります。これはスポーツドリンク500mlに含まれるエネルギーと同じくらいです。
つまりスポーツクラブで30分汗を流し、のどが乾いたのでスポーツドリンクを1本飲むと、収支はゼロです。座っていてもエネルギーは消費するので、むしろ太る方向の活動をしたことになります。やせるわけがありませんね。
筋トレでつく筋肉は1カ月で1kg程度
よくある誤解(あるいは過大な期待)として、運動をすると筋肉がつくというイメージがありますが、筋肉はそう簡単につきません。
また、筋肉が基礎代謝を増やすのでやせるというのも期待しにくいです。
一般に、筋トレをコツコツ続けることで、1カ月あたり1kg程度の筋肉をつけることができます。
筋肉量は20kgくらいが平均的ですので、だいたい1カ月で5%、半年で3割増やすことができます。
3割も増えればかなり目立ってきそうですが、それには半年休まず筋トレを続ける必要があります。