ダイエットはたいていリバウンドする

対してアメリカなど肥満が大きな問題とされている国ではダイエット法が熱心に研究されています。

その中で常識的な前提とされているのが、体重は増え続けるのが当たり前だということと、ダイエットはたいていリバウンドするということです。

低脂肪食と低炭水化物食と地中海食を比較した2008年の有名な論文にあるは、その関係をはっきりと示しています。一番うまくいった低炭水化物食(糖質制限)でも5カ月で6kgあまり減ってから、また少しずつ増えています。

ですから、医学の立場から言うなら、たぶんあなたはやせなくていいし、あまり大幅に(たとえば6kg以上)体重を減らすことはおそらくできません。世間でやかましく言われているダイエットのほとんどは医学とは相いれないのです。

運動の効果はほとんどない

それでも肥満が健康問題になっている(日本以外の)国々では、ダイエット効果を少しでも高めようと、運動療法を研究してきました。しかし、効果はほんのわずかでした。

2006年に当時あったすべての研究データを集めた調査があります。その結果、食事療法に運動療法を加えた人では、食事療法だけの人よりも多く体重が減っていました。

その場合の運動の効果はどれくらいだと思いますか? 実は3カ月から12カ月で1.1kgの差しかありませんでした。

運動の効果はほとんどない
写真=iStock.com/nd3000
運動の効果はほとんどない(※写真はイメージです)

食事療法+運動療法の人は3.4kgから17.7kgやせました。対して食事療法だけの人は2.3kgから16.7kgやせました。

運動による差は小さく、個人差のほうがはるかに大きいことがわかります。