貯金を増やすにはどうすればいいのか。経済コラムニストの大江英樹さんは「高収入の仕事に就かなくてもお金は簡単に貯められる。低所得者で資産を潤沢に持っている人は『わかっているけどなかなかできないこと』を実践している」という――。
※本稿は、大江英樹『90歳までに使い切る お金の賢い減らし方』(光文社新書)の一部を再編集したものです。
お金を増やすのはそれほど難しくない
第1章の最初に、今の時代、マネー本が大流行だと書きました。なぜなのかについてはこれまで説明をしてきましたが、おそらく今後も、次から次へと「お金の増やし方」というような本はたくさん出てくることでしょう。
でもじつは、お金を増やすのはそれほど難しいことではないのです。
これを言うと、「それはお金を持っているからそんなことが言えるのだ」と思われるかもしれませんが、決してそういうわけではありません。
私自身、何度か自分の著書に書いてきましたが、家庭の事情があったために、60歳で定年退職した時には貯金はほとんどありませんでした。「老後は2000万円足りない」と話題になりましたが、私は2000万円どころか150万円しか持っていなかったからです。
でも、それについてはまったく不安に思っていませんでした。理由は2つあります。
1つは、定年の時点で将来にわたる収支を自分なりにきちんと把握していたこと、そしてもう1つ、それが「お金を増やすことはそれほど難しくない」と思っていたからです。
本書はお金の増やし方の本ではありませんので、あまり詳しくは述べませんが、この節ぐらいは、「増やし方」についての原理原則を述べてみたいと思います。