安倍元首相狙撃事件を直視しない両親に失望
そういう経緯で結局祝福は受けず、つまり合同結婚式には出ませんでした。20歳で脱会して2年目にいまの夫と出会って、去年、結婚しました。夫は統一教会に関係がなくて、趣味の繋がりで知りあいました。
安倍元首相狙撃事件があってからは、山上容疑者のつらかった過去とか、家族が破産してしまった、高額献金・霊感商法があったということなどを、私の親はいっさい認めずに、「じつはスナイパーが撃った」とか、共産党の目論みだとか、そういう陰謀論を信じています。
それで親に対してかなり失望しました。自分を悩ませてきた人たちって、こんな人たちなんだ、こんなに理解できない人たちだったんだと思って、事件以降はあまり連絡を取らないようにしました。今後も距離を置きたいと思っています。
自分のような被害者をもう出したくない
自分は宗教2世として被害者をもう出したくない、出さないでほしいって思っています。そのためには絶対法律を作るしかないと、自分は確信しています。最終的なゴールは、団体を規制、解散させるところまでいかないと、絶対この問題は解決しないし終わらないと、当事者の肌感覚でわかっています。なのでゴールは、日本における反セクト法のようなものですが、いきなり新しい法を作るのは高いハードルがあります。それで、いま高額献金規制を訴えたりしています(2022年12月10日、通称被害者救済法案が成立)。
献金の問題だけでなく、宗教による子どもへの権利侵害、児童虐待なども、同じような思いを後世に残したくないので、訴えていきたいです。
私は、宗教を信じることや、何かを信じたいと思う気持ちは自由だと思います。しかし、カルト的な宗教、人に迷惑をかける、家族を崩壊に追いこんでしまうような、人をだます悪質な団体が存在することは絶対にまちがいだと思っています。この国から、そういった悪質な団体を規制する法律を国に作ってもらえるよう訴えたいです。