食品の安全性に特に敏感なお母さんからの厳しい意見

2015年5月開始の「Mom’s Eye Project(ママズ・アイ・プロジェクト)」は、その象徴的な取り組みといえる。日本マクドナルドの社長自ら47都道府県を回り、計352名のお母さんたちとマクドナルドについて話し合う「タウンミーティング with ママ」を実施した。問題や騒動が起きても、それでもマクドナルドの利用を続けてくれているお母さんたちに、利用しなくなったママ友を連れてきてほしいとお願いして、率直な厳しい意見にしっかり耳を傾けた。

この取り組みを通じて、食品の安全性について特に敏感なお母さんが、安心して子供と一緒に利用できて楽しめる店づくりを共に実現していった。「店が汚い」という声を受けて店をカフェ調に改装したり、各商品の安全性をより明確に分かりやすく知ることができるようwebサイトメニューページや商品パッケージQRコードを改善したり、要望に応えて野菜を沢山取れる温かいスープ商品の提供を開始したりするなど、様々な声を実現させた。

ドライブスルーのあるマクドナルドの店舗
写真=iStock.com/shaunl
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ファンの心を掴んだ新メニュー

新メニューも続々と好評を博した。「おてごろマック」の新バーガー、平日ランチタイムのお得な「バリューランチ」、肉厚パティの美味しさにこだわった「グラン」シリーズや「サムライマック」、そして17時以降にプラス100円でパティが倍になる「夜マック」など、お得で、ニーズに応える商品が、ファンの心を掴んだ。

また、プロモーションも大きな効果を発揮した。1つは、SNSでバズることを重視したプロモーション戦略だ。商品パッケージは、「写真に撮ってSNSでシェアしたくなる」デザインに変更した。商品名は、Yahoo!やLINEのニュースの記事タイトルに収まるように、短く省略できる呼び名を付けた。「エッグチーズバーガー」は「エグチ」、「チキンチーズバーガー」は「チキチー」のように短い呼び名を付けることで、記事タイトルに採用されやすくしたわけだ。

最も投票数の多かった内容が実現されるというキャンペーン「マクドナルド総選挙」では、遊び心にあふれた動画を30本以上作成し、ユーザーを楽しませるとともに、「ツイートで投票」で1ポイント、「食べて投票」で100ポイントと設定して、店舗で食べて投票するように誘導した。その結果、大規模な広告は打たずに自社SNSで告知しただけだったが、大きくバズることに成功し、合計約2億ポイントもの投票が集まった。