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<strong>日本ゼオン相談役 中野克彦<br></strong>1933年生まれ。56年慶應義塾大学経済学部卒業後、日本ゼオン入社。93年社長に就任。創業事業からの撤退を決断し、高機能材料に経営資源を配分、現在の事業構造を確立した。大学ではアイスホッケー部に所属し、日本代表にも選出されたほどの腕前。2007年から相談役に就任。
日本ゼオン相談役 中野克彦
1933年生まれ。56年慶應義塾大学経済学部卒業後、日本ゼオン入社。93年社長に就任。創業事業からの撤退を決断し、高機能材料に経営資源を配分、現在の事業構造を確立した。大学ではアイスホッケー部に所属し、日本代表にも選出されたほどの腕前。2007年から相談役に就任。

リーダーには、「テクニカル」「コンセプチュアル」「ヒューマン」という3つのスキルが求められます。このうちテクニカルスキルは各々の専門分野で必要になるスキル。一方、部下が壁にぶつかって思い悩んでいるときにぜひ発揮してほしいのがコンセプチュアルスキルとヒューマンスキルです。

コンセプチュアルスキルは、状況を客観的、かつ的確に判断して部下に明確な方針を示す技術です。マネジメントというと、部下にハシゴを上手にのぼらせることばかりを考えがちですが、それ以前に、ハシゴを正しい場所にかけてあげなくてはダメ。方針が不明瞭だったり、二転三転していたりでは、部下は迷ってしまい力を発揮できません。まずは部下が目指すべき道を、現場のリーダーが指し示すべきです。

そのうえで部下とのコミュニケーションを深め、動機付けしてあげるときに必要になるのがヒューマンスキルです。このスキルが足りないリーダーは、たんに部下に言葉をかけただけで部下のやる気を引き出せると勘違いしていますが、それは大間違い。言葉は「話して聞かせるだけでなく理解させる」段階からさらに進んで「理解させるだけでなく感じさせる」というレベルに達してこそ、はじめて部下の心を動かせるのです。