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図4~7

どちらも、体操をしながら「モゾモゾ」「ゴロゴロ」と口に出すことが重要だ。動きの“質感”が高まるうえ、発声により息がはき出されることで身体がリラックスし、ゆるみやすくなる。つぶやくことで体操の効果が高まることも実験で実証されている(図4~7)。

ゆる体操のメリットは、わざわざ時間を取らなくても、日常生活の中に取り込みやすいことだ。「背もたれ首モゾモゾ体操」なら、パソコンのスイッチを入れてから起動するまでの待ち時間に、「首ゴロゴロ体操」なら夜寝ようと思って布団やベッドに入ったときで充分。これなら日課としても続けやすいだろう。

また、ゆる体操には「この体操は10回1セットで、1日に5セットやること」などのルールは一切ない。体操をしながら回数を数えると、それが新たなストレスになる。これでは本末転倒だ。自分で気持ちがいいと思うだけやって、この程度かなと感じたらやめる。それが一番だ。お金もかからず、精神的にも負担がなく、極めてローコストな体操なのである。

それでも、この動きを何度か繰り返しているうちに首がゆるんできて、動く幅が自然に広がっていることが実感できるようになるだろう。これがゆるんできた証拠であり、脳が徐々にいい状態に近づいていることを表すサインなのだ。

ゆる体操で脳が活性化すると言われても、本当だろうか、と思う人もいるかもしれない。そこで、ある実験を行った。被験者にはゆる体操のベースとなった「基礎ゆる」を17分間続けてもらい、体操をする前、最中、体操後で脳の血液中に含まれる酸化型ヘモグロビン量を測定するというものだ。ヘモグロビンは赤血球に含まれる酸素を運ぶ成分で、脳は酸素がなければ活動ができない。そのため、酸素と結合した酸化型ヘモグロビンが血中に増えれば、それだけ脳が活発に活動していると推定することができる。