「WHY」は聞かず「HOW」を聞くべし
会話のなかで相手に質問をするときは「理由(WHY)」ではなく、「状況(HOW)」を尋ねるのがポイントです。
人の気持ちは理由を尋ねられた途端、すっと冷めます。「なぜだろう?」と理由を考えると、頭が冷静になってしまうのです。また、「理由を尋ねる」という質問自体が、批判的に聞こえてしまうこともあります。
「ピーマンが苦手なんです」
「なんで嫌いなの?」
こう質問すると、相手は「あれ、何かまずかったかな」「好き嫌いは良くないと言われているのだろうか」と不安になったり、不快に感じたりするので注意が必要です。
一方、同じ話題でも「状況(HOW)」であれば俄然、答えやすくなります。例えば先ほどのピーマンの話題であれば、こんな具合です。
「ピーマンが苦手なんです」
「どれぐらい苦手なの?」
「みじん切りにしてあっても、すぐに気がつくぐらい苦手で」
周囲の人も「私は火を通してあれば、まだ大丈夫」「サラダに入っているとお手上げ」「子どもの頃は苦手だったけど、大人になったら案外平気」など、この話題に入りやすくなります。
話を盛り上げるつもりが、「なぜ?」を連発したせいで場が盛り下がり、相手から「面倒くさい人」と思われてしまう。
そんな悲劇を生まないよう、「理由」を尋ねるのは最小限にしておきましょう。
「ぶっちゃけ、年収っていくらぐらい?」
一方、何の気なしに、ぶしつけな質問をしてくる人もいます。
「何人ぐらいつきあってきたの?」
「ぶっちゃけ、年収っていくらぐらい?」
「お子さんの予定は?」
これが親しい友達同士であれば、「そういうの聞かないほうがいいよ」とたしなめることもできるかもしれません。でも、相手が親戚や職場の上司など、気を遣う相手の場合、そうもいきません。
ただ、ここで、本当は答えたくないのに、失礼にならないようにがんばって答えると、さらにつらい思いをすることになります。
正直に答えたところで、相手がその答えを温かく受け止めてくれる可能性は低く、むしろ、否定されたり、勝手な意見を押しつけられ、「答えなければよかった」と後悔するはめになりかねません。
かといって、答えをぼかしても、相手は納得しないでしょう。
「(子どもは)まだいいですかね」
「どうして?」
このように、さらに答えづらい質問が続くことになりかねません。