感じがいい人は何が違うのか。セブン‐イレブン限定書籍『感じのいい人、悪い人 人間関係がうまくいく「話す技術」』を上梓した心理カウンセラーの五百田(いおた)達成さんは「ビジネスの現場ではロジカルさが重要だが、そうしたやりとりは『感じが悪い』と受け取られる恐れがある。会話の印象をよくするために必要なのは『正しさ』よりも『優しさ』だろう」という――。

※本稿は、五百田達成『感じのいい人、悪い人 人間関係がうまくいく「話す技術」』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

リビングルームで話す2人の女性
写真=iStock.com/itakayuki
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「感じがいい」とはどういうことか

誰しも「感じが悪い」よりも、「感じがいい」と思われたいですよね。でも、「感じがいい」と思われるにはどうすればいいのでしょうか。

なんだか漠然としていて、つかみどころがないようにも思える「感じがいい」ですが、決め手になるのは「この人は私の話を聞いてくれる」という印象です。

いまや、みんなが自分の話を聞いてほしくてうずうずしています。リアルはもちろん、SNSのやりとりでも、無視されるのがいちばんつらい。リアクションを求めて、日々情報発信に努めている人が大勢います。「一億総承認欲求時代」と言ってもいいかもしれません。

そんな中、自分の話を聞いてくれる人がいたら、どうでしょう。話を聞いてもらった側は、「この人は自分の話を聞いてくれるんだ!」とうれしくなるはずです。

感じのいい人だと思われるためには、「相手の話を聞くこと」が最初の一歩なのです。

無意識の“話題泥棒”が評価を下げる

「感じのいい人とは、相手の話を聞く人」。

そう言われると、「そんなの当たり前のことじゃないか」「もちろんちゃんと聞いているよ」と思うかもしれません。

ですが、例えば誰かと話をしているとき、相手の話はそっちのけで、次に自分が何を話すかを考えてしまったことはありませんか。

「この話が終わったら、この意見だけは伝えておこう」「いいアイデアを思いついてしまった!」「この話はいつまで続くんだろう。なんとか適当に切り上げたい」などと考えていると、相手の話はほぼ耳に入ってきません。

あるいは、相手の話をきっかけに自分の話を始めてしまう人もいます。

「先週、バーベキューに行ったんだ」

友人にこう言われて、つい自分のバーベキュー経験について話してしまったことはないでしょうか。

「バーベキューいいね! そういえば、ここ3年ぐらい行ってないな。昔は家族でよく行ったんだけどね」
「バーベキューって楽しいけど、準備が大変だよね。なんだかんだで店に行くほうがラクじゃない? 天気の心配もいらないし」
「そういえば、最近ネットで見つけたビアガーデンがすごく良さそうで……」

話題を出した本人はそっちのけで、周囲が好き勝手に反応し、それぞれが自分の話を始めてしまうというシチュエーションは珍しくありません。

この“話題泥棒”はやっている側はなかなか自覚できないうえ、確実に好感度が下がる危ういふるまいです。