若者向けの販促施策をするときの注意点は何か。SHIBUYA109のマーケター・長田麻衣氏は「むやみに若者向けの施策を打っても、タイムライン上のノイズと判断されて終わるだけ。Z世代は各SNSのアルゴリズムも含めた特性を理解していて、自分の意思とタイミングで使い分けている」という――。

※本稿は、長田麻衣『SHIBUYA109式 Z世代マーケティング』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

スマホに表示されたSNSアプリのアイコンをタップしようとする指
写真=iStock.com/Victollio
※写真はイメージです

トレンドを知るきっかけは当然SNS

ここまで、コミュニケーションを目的としたSNSの使い方と、彼らの価値観について説明してきました。SNSを利用する一番のモチベーションはコミュニケーションですが、情報収集の場としても活用されていることも忘れてはいけません。まずは、Z世代流の情報収集の観点からSNSとの付き合い方事情をお伝えします。

【生の声】新しい商品やトレンドは、大体SNSで知る。

2021年に私たちがZ世代男女400人を対象に実施した調査では、「新しいブランドや商品を知るきっかけ」のトップ3はTV番組・CMを押さえてSNSが席巻し、女性においては7割がInstagramと回答するなど、SNSの影響力の高さがうかがえる結果となりました。

彼らはSNSを通じて新しい商品やサービスを知るだけでなく、その商品が本当に必要なものかを検討するための二次的な情報(口コミなど)も収集しています。その存在なしには彼らの消費行動について語れないほど、SNSは重要な情報源なのです。

周りの目を意識する習慣がついている

Z世代は情報収集において、中立的な立場であることを意識しています。

彼らは自分の考えは持ちつつも、ニュートラルであり、バランスが取れている状態を目指します。そして彼らは特定の意見に偏ることなく、多様な意見の存在を知ることに重きを置いています。

そのため一つの情報について、SNSも含めた複数メディアを駆使して、他者の意見を基に多角的な視点から情報を吟味しています。

【生の声】インフルエンサーや一般の人がどんな評価をしているかを必ずチェックする。

このコメントの背景には、彼らがSNSで多様な価値観や考え方に触れていることが当たり前の日常があります。

そして、常にSNSでゆるく繋がる環境で育ったことにより、周りの目に対する意識が高いことも関係しています。