チャンスをつかむにはどうすればいいか。福厳寺住職でYouTuberの大愚元勝さんは「他人の言葉を鵜呑みにする人や、自分の現状を受け入れられない人は、人生の重要な場面でチャンスをつかめない。仏教の教えの中には、こうした悪い習慣を変えるヒントがある」という――。

※本稿は、大愚元勝『これでは、不幸まっしぐら 今すぐ変えたい30の思考・行動』(佼成出版社)の一部を再編集したものです。

「インフルエンサーが言っているから」の危険性

近年、SNSが社会に浸透し、「インフルエンサー」と呼ばれる職業が生まれました。強い発信力をもち、人々に影響を与える人たちのことを指した呼び名です。最近では、ファッションモデルだけでなく、カリスマ経営者や普通の大学生グループなど、多岐にわたるジャンルでこのインフルエンサーが増えているように感じます。彼らが動画等で紹介する商品はインターネット上で大きな反響を呼び、すぐに在庫が無くなってしまうものもあるようです。

スマホを使用する人たち
写真=iStock.com/ViewApart
※写真はイメージです

危険なのは、こうした人たちの言うことを妄信的に信じてしまう人がいることです。洋服やお菓子など、趣味の範囲でインフルエンサーが紹介しているものを購入する分には大きな危険はありませんが、投資など、多額のお金が絡むこととなると、危険性は一気に増します。

「サラリーマンの時代は終わった。マンション投資で不労所得を得よう」「これからは投資の時代。小さな会社を買収してM&Aで大きくすれば、オーナー経営者の仲間入りだ」「いま仮想通貨を買っておけば十年後には間違いなく倍額になる」など、「あのインフルエンサーが言っているから」と鵜呑みにして行動してしまう人も少なくないようです。

その情報は自分から求めてたどり着いたものか

「いやいや、会ったこともない人の意見を鵜呑みにしたりしないでしょ」と考える人もいるでしょう。ですが、残念ながら世の中では鵜呑みにして痛い目を見てしまう人が少なからずいるのです。

私たちが意図していないところで、年齢や性別、趣味・趣向や考え方などのあらゆる情報が、スマートフォンを通じて分析されています。そして、さも自分から求めてたどり着いたかのように思える方法で、日々あらゆる情報を受動的に受けとっているのです。

能動的に情報を求めていたつもりが、いつの間にか誰かが恣意しい的に発信する情報を与えられ、さも探していた情報にたどり着いたかのような錯覚をしてしまうのです。よく知らないはずのインフルエンサーの発言も、初めて聞いたような気がせず、親近感を覚えて信用してしまう、ということが起こりうるのです。