「例えば『乗用車は一律200円、大型観光バスなら一律800円』といった車種別に適切な定額料金設定にすれば、高速道路の持つポテンシャルを最大限に発揮し、日本経済再生の起爆剤にもなると考えています。無料化と違い、料金収入も確保できます。メリットしかなくてデメリットは一つもない。この案に反対する理由は国交省が『将来の無料化を前提にした償還主義にこだわっているから』という以外に考えつかないのですが……」

高速道路を気軽に利用できれば国内旅行ももっと加速することは「土日上限1000円」とした社会実験からも明らかだ。また、通勤圏も拡大するため、地方の活性化につながることも期待できる。

岸田政権の現状維持がいちばんの悪手である

物流価格も低減化することから高速道路を直接利用しない人でもその恩恵を受けることができる。「地方の人ほど送料が高くつく」といった不平等も是正することにつながる。

何より「高速道路料金が高くて必要なのに使えない」という多くの国民に応えることが何よりも重要なはずである。

「忘れてはいけないことは『高速道路は国民全員の所有物である』ということです。住んでいる地域で差をつけるようなことをしてはいけないし、いかなる人に対しても便益性に差がついてはいけない。しかし、現状の距離制の料金体系だと東京など都心に住んでいる人はいいが、地方の人は大きな不利益を被ってしまう。こんな現状を許していてはいけません」

岸田政権は2115年まで、高速道路の無料化を先送りする方針だ。それは日本経済のため、国民の生活のためになるのだろうか。無料化にこだわるあまり、それを先送りするのは本末転倒だ。栗岡氏が指摘するように、償還主義にとらわれず、定額制を含めた世界一高い高速料金の見直しこそ先決ではないのか。

国や地方のあり方、経済成長、地方創生、労働環境などあらゆる課題を好転させられる可能性があるのが「高速道路政策」だ。だが、この国会で大した議論もなく「現状維持」が100年近く続いてしまう重要な決定がされてしまうのだろうか。

もしそうなれば、「失われた30年」と言われる日本社会の停滞が、さらに何十年と続いてしまうことを予兆しているように感じてならない。

【関連記事】
日本のサービスエリアはまるで夢の国…外国人が日本の高速道路を走ると大喜びするワケ
いま増税するなんて狂気の沙汰である…政府は「若者が結婚しない本当の理由」を分かっていない
待機者は多いのに施設はガラガラ…全国の特養ホームで起きている「税金の無駄づかい」を告発する
増税を実行する前に、議員給与の3割カットをやるべき…岸田政権がズルズルと支持率を下げる根本原因
国民には不人気だが、霞が関では大人気…岸田首相が「評判の悪い政策」を次々と断行している本当の理由