最終的には「運用能力」がモノを言う

株式投資での運用利回りは、配当利回りで3%、キャピタルゲインで7%(いずれも税引き後)の10%を目標とします。

投資初心者の方のために説明しておきますと、配当とは株式を持っている人に対して、一定の期間ごとにその企業から支払われる金額のことを指します。通常、「1株当たり○○円」という形で提示され、多くの株を持っていればそれに比例して配当額は多くなります。

キャピタルゲインとは、株が購入時よりも高くなってから売ることにより得られる利益のことを指します。「株で儲ける」というと多くの人がイメージするのは、こちらかもしれません。

ともあれ、この二つで毎年10%の利益を得ることができれば、老後の運用資金総額が5000万円なら年額500万円、1億円なら年額1000万円の運用益が見込めます。これは、老後の経済的な安心という意味で、かなりデカいです。

複数のコンピュータモニターで株式市場の動向を監視
写真=iStock.com/Edwin Tan
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そして、「本当に身についた運用能力」というのは(年によって浮き沈みはあるものの)決して失いませんし、比較的安定した成果が出せるものです。

たとえば、年金収入が手取りで月20万円あり、副業からの収入が手取りで月10万円あれば、それだけで月額30万円を確保できます。それに加えて、運用資金総額が3000万円あって、株式投資で(手取り)年率10%を達成できれば、年間で300万円、毎月にすると25万円の可処分所得が得られます。合計すると毎月55万円です。これで、かなりゆとりが持てますね。

株式投資はインフレに強い

さらにいえば、株式の価格はインフレとともに上昇しますので、インフレ対抗力もあります。強いインフレによって生活費が100倍になっても、株式投資から得られる収入も100倍になれば、十分ゆとりある生活が送れるのです。老後のお金の不安は「運用能力」を身につければ、完全に解消されます。

私は株式投資による運用ができるおかげで、老後のお金の不安は皆無です。株式投資をしていなかったら、平日は「ヒマだ病」に襲われるし、お金の安心は得られなかったと思います。でも今は、そんな老後はまったく考えられません。

「老後には株式投資はしてはいけない」とか、「株式投資をするとしても少額にしなさい」とかいうのは、完全に「前世紀の発想」です。21世紀は、その正反対です。「運用能力なくして、老後の安心なし」です。