DX力だけは高いが成果が出せない残念なチーム
3.IT一本足・効率依存症
AI・DX力だけ高く、他の戦略力や施策力が弱いと、マーケティングのツール活用やデータ分析などのテクノロジー活用は手慣れていても、顧客理解、顧客価値、顧客行動の実態に即した施策にならず成果が出ません。ITエンジニア集団が自社事業に乗り出した初期に起こりやすい症状です。
AIやデータに強いと、事業をスケールさせる際に非常に強い武器になりますが、他の戦略力や施策力がないと事業のフェーズ1~2の前半の立ち上がりに苦労する傾向があり、それらの強化が有効です。
4.人材潤沢・機能不全症
チーム力だけが高く、他が弱いと、組織の空気が良くても、市場・顧客への理解や感度が低く、機能不全に陥りがちです。組織インフラは充実しているが事業立ち上げ経験のない、大企業の新規事業立ち上げチームで起こりやすい症状です。
人の優秀さと資金力のリソースがある場合は、初期投資は高くついても経験豊富な外部委託パートナーを巻き込んで推進し、その過程で戦略力と施策力のノウハウを学びながら、外部委託パートナーの細かな施策の知識を自社に取り込んでいくような動きが有効です。
「マーケティング思考人材」育成の成功法則
ここまでマーケティング知識・スキルの高低で3つ、知識・スキルの要素の偏りで4つの症状を説明してきました。自社や身近で、思い当たるものはあったでしょうか? 何らか思い当たったとしても、悲観する必要はありません。
むしろ何も問題症状のないマーケティングチームなどありませんし、どれほどレベルが高いチームになっても、市場の顧客は変わり続けるものなので、その変化に適応することは常に大変なことで、何らかの自社に不足する能力をつきつけられることの連続です。
症状の撲滅を目指すのではなく、目の前の症状やこれから起こるであろう症状を俯瞰して捉え、冷静に解決策の手を打てることを目指しましょう。