新卒社員は「最も優秀な人」の配下にすべき
新卒の社員をどこの部署に配属するかという問題があったとき、僕は「会社で最も優秀な人につける」ことを勧めます。こう言うと
「その優秀な人に仕事が集まるからですか?」
「優秀な人にもっと働いてもらうためですか?」
と聞かれますが、新卒社員を育てるためです。
ここでの「優秀」とは、会社のミッションに即した行動が卓越していることを指します。ミッション実現のために、会社が求める行動と考え方ができていることです。ですから、具体的にどんな人かは会社によって違いますが、「ミッションに即した仕事を自ら作り出せる人」であることでしょう。その優秀な社員のもとでは、新卒社員も作業者になることなく、会社が求める行動と考え方を身に着けていくことができるはずです。そして、新卒社員たちが会社のカルチャーを作っていくのです。
上司に必要なマネジメント能力とは
ミッション、ビジョン、バリューが定義され、必要な人材像が明確になって、いい人材を採用できたとします。次に必要なのは、適切なマネジメントです。いくら採用がうまくいっても、現場でマネジメントできなければうまくいきません。十分に能力を発揮してもらうことができず、ミッション実現に向かうことができません。
たとえば、「柔軟に考えてチャレンジできる人」が重要だと考え、バリューとして定義していたとします。実際、そういう人を採用することができました。しかし、現場では歓迎されないことが現実にあるのです。
「それは前例がないから、ちょっと待って」
上司が、チャレンジを拒むような態度を見せてしまう……それでは、せっかくの人材が活躍できず、結局辞めてしまうことになるでしょう。現場でも「柔軟に考えてチャレンジできる人」が重要だと認識し、そういう教育ができるようになっていなければなりません。
そのためには、あらためてマネージャーの仕事や役割について定義することです。本来のマネージャーは、メンバーそれぞれに能力を発揮してもらい、チーム全体として目標を達成できるよう指揮する存在です。そのために、一定の権限が与えられています。
まず、会社のミッションにひもづいた部署としての目標を立てる。
その目標に向けて、メンバーの目標設定から評価を管理しながら、メンバーの成長を促す。
これを基本的な軸として、どういう仕事をするのかを定義します。