1再生あたりの収益はわずか「0.000026円」

ショート動画は昨年9月から収益化できるようになっているが、実は通常の動画と比べて収益性が悪いと言われている。

お笑い芸人あしなっすはYouTubeチャンネルも運営しているが、1247万回再生された「98歳と天皇陛下」というショート動画の推定収益がわずか「328円」だったことをツイートしている。1再生あたり0.000026円なので、通常の動画の0.05~0.1円に比べると驚くほど低い。

ただし今年から、ショート動画の合間に表示された広告収入の45%をクリエイターが受け取り、合計視聴回数の割合に応じて分配されるとのことなので、もう少し改善される可能性が高いだろう。

競合がどんどん増え、パイの取り合いが熾烈に

YouTuberが稼げなくなった原因は、YouTube全体の広告収入が減っただけではない。たとえば、YouTuberが増えすぎたことも影響しているだろう。

杏や木村文乃、ジャニーズタレントなど、最近は芸能人のYouTube進出が相次いでおり、もともと知名度が高い芸能人による動画と競わなければならないことも影響しているはずだ。視聴者が急激に増えない限り、YouTube内のプレイヤーが増えれば、どうしてもパイの取り合いになってしまう。

コロナ禍のステイホームで視聴時間が長くなっていたが、外出制限がなくなった今、ネットよりイベントなどのリアルへの回帰が進んでいることもあるだろう。ネットに限っても、AmazonプライムビデオやNetflix、TVerなど、他の動画配信サービスとの視聴時間の取り合いも熾烈しれつになっている。

このようにみていると、「たしかにYouTuberはオワコンだ」と思ってしまいそうだが、必ずしもそうではなさそうだ。

チャンネル登録者数405万人を超える音楽グループRepezen FoxxのDJ社長は、2022年12月の収益が1800万円であったことを明かしている。2021年6月まで収益化していなかったため、以前と比べた収益がどうかはわからないものの、驚くべき金額だ。