少子高齢化時代に「タワマン節税」は不要
税制の公平性に加えて、別の面でも「タワマン節税」は問題視されるべきです。
以前の記事でもご紹介したように、日本では少子高齢化が進んでおり、全国の空き家率は2018年の調査で13.6%となっています。
また、野村総研が発表した予測では、2033年の空き家率は27.3%にもなります。
今後日本全国の空き家率が急増する中、タワマン建設だけでなく、住宅やアパート建設を優遇するような税制が本当に必要なのか、疑問が残るところです。
少なくとも、現在「タワマン節税」として行われているような、税制を悪用・濫用するような節税については、今後見直されることはほぼ確実だと思われます。
一方、土地に住宅やアパートを建てると得をするという現在の税制は、戦後に設計されたもので、少子高齢化が進む中で見直しが必要になってきています。
「タワマン節税」が見直されたとしても、それによってタワマンが急に売れなくなるとか、すでにタワマンを購入した方が一斉に手放す、といった状況は考えにくいです。
タワマンは大抵良い立地に立っていますし、税制優遇が多少なくなっても資産としての価値が変わるわけではありません。
特に、人生の節目に居住目的でタワマンを購入した人達が、節税できなくなったからといって、急にタワマンを手放すこともないでしょう。
ただ、過剰な「タワマン節税」が見直されるのはほぼ確実と思われますので、相続税等の節税目的での購入はおすすめできません。
「タワマン節税」だけでなく、税制全体の見直しが必要になっているのは間違いありません。
今後どこまで議論が進むのか、動向が注目されるところです。